CT・MRI断層撮影診断とその予後?

 現代の医学では、脳内に何らかの問題があるかと疑問を生じると、CTやMRIでの脳内断層撮影が行われ、もっともらしき診断を受けることになります。
 脳内の断層撮影では、脳のダメージを図ることができますが、それによっての障害や能力低下を推測することは今の医学では難しいことです。
 地球上の大小の島々、そこに聳える山々、地球上のことはほとんどわかってきていますが、ジャングルの奥地などのわからない点もまだ有るのです。深海のことについてはわかってはいません。
 脳内のことは深海のことと同様に、詳しくはまだわかっていないのです。
 脳の傷やダメージによって、身体の機能に残す障害の予想は立てられたとしても、それはあくまで予想であって、実際の障害は治療や運動療法を行ってみなければ事実はわからないのです。
 脳の構造やその脳の働きが解明されつつある現在でも、解明されていない問題も未だ残されています。

 このホームページを書き込んでいる私は脳の障害ではありませんが、網膜色素変性と呼ばれる視覚障害です。この網膜の変性していく状態は過去のデータでわかっていますが、過去のデータと同じように変性が進むとは限りません。その個人によって変性の速度も異なり、変性の状態も異なるからなのです。トレーニングや手術や投薬によっては何の改善もできない病気です。

 CT・MRIの段層撮影によって、傷やダメージを受けている脳の状態を把握しても、必ずしも想像される障害の程度が一致するとは限らないのです。1979年に競馬騎士が落馬によって脳損傷となったことがあります。当時の報道では、植物人間になるのかと言われていましたが、ある運動療法を継続することによって、ゆっくりであるが歩行を行うまでに改善されていることが、数年以前の報道でなされていました。周囲と本人の努力によって勝ち取ったものです。

 幼児の脳は、前述した騎士よりもずっと対応する能力を秘めています。CT・MRIでの診断結果と異なることを信じて、あきらめの気持ちにならないでください。
 ここに紹介しているこの訓練法が、試行錯誤から体系づけられる頃の昔の実話です。
 片麻痺のCちゃんは、足に足背屈可能のSLBを履いて、松葉杖を装着するためにたすき紐と右手を結わえると、一人で廊下を歩くことが可能となっていました。ところがその後の進歩がなく、何故だろうかと首をかしげていた時、当時国内でも普及途中にあったCTでの検査を受けることになりました。その結果を知って、我々は大いに驚いたことを思い出します。撮影の結果では、脳の左半分がほとんど無いことがわかったのです。
 現在のように、すぐにCTやMRIの撮影から推理と判断を進める人たちの意見を推測すれば、「お座りやいざり這いは可能となるかもしれませんが、立ったり歩いたりすることは無理でしょう。」などと言われるのではないでしょうか。この発言に元ずき、運動療法もそのような指導となり、立位や歩行の練習をしないと考えられます。

 著書の中に、「カマラとアマラの養育日記」の主人公である子どもたちは、健康で生まれたであろうのに、健全な生活を送ることができませんでした。反面、「栄光の岸壁」の主人公は、努力によって歩行能力を獲得して、一般人でも困難な氷壁登頂に成功しました。
 脳挫傷となった元騎手のCTやMRIの検査では、その異常が認められるかも知れません。認められたから植物人間になるかもと報道されていたのかもしれません。栄光の岸壁の主人公は、外傷であって脳の損傷などありませんでした。でも、それぞれの運動療法を行うことによって、改善されています。良くなりたいの意識を持って、努力を継続したことが結果を表したと言えます。栄光の岸壁の主人公も、ある運動療法を知るまでは、松葉杖で家の近くを歩く程度の能力しかありませんでした。運動療法によっては、その運動機能が改善される度合いが大きく異なることを知っておいてください。

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